性依存症と小児性愛は似ている、または重なる点があるという話を以前しました。
「医療法人社団 明善会」という団体がウェブサイトで、「性依存症・自己診断のための10の質問」を挙げています。以下の通りです。
あなたの性的な思考や行動に対して誰かの助けが必要と感じる
性的な思考や行動をしている時の方がリラックスできる
セックスや性的刺激によって物事の優先順位がしばしば逆転する
自分自身の性的思考や行動で制限したいと感じることがある
何かに耐えられず、不安や孤独感を和らげるためにセックスを用いる
セックスの後、罪悪感や自責の念を感じて落ち込む
性的活動に時間をとられ家族や身近な友人をおざなりにしている
最近、性的活動のせいで集中力や仕事の能率が落ちている
次から次へと性的関係を持つ相手を変えている
性的行動を隠すため、嘘をつくことがよくある
ちなみに、7の「おざなり」は「なおざり」の間違いでしょう。
この対象を子供とすると、DSMの小児性愛の項目が、ここに含まれそうに思われます。
恋愛や恋心は、性に結びついたものですから、小児性愛者が子供に性的な関心を持つのは当然です。
問題は、性依存症的でない小児性愛者が存在するのかどうかということです。大人の異性愛者を例にとると、その人が異性を見るたびにセックスのことをすぐ考えるとしたら、問題があると言えるでしょう。まして、そのことばかり考えざるを得ないとすれば、それは強迫的行動であり、そこに快楽が伴うなら依存症の域に入るでしょう。
もしも、性依存症的でない小児性愛者がいないのなら、教員の2割が小児性愛者だという福井祐輝氏の予想は深刻な事態だと言えます。
小児性愛者だろうが同性愛者だろうが、そんな性対象の事より、依存症患者であるという事はより大きな問題です。依存症患者は犯罪予備軍であると言えます。
世間では、小児性愛者は、子供を対象とする性依存症患者であることと同義です。
その姿は、これまで私が対照化しようと批判してきたものなのですが、それしかないのだったら、性依存症患者への対処の話をすることになります。
なお、当団体の挙げている治療法は、認知行動療法・自助グループ・薬物療法です。団体の批判でなく、一般的なこととして指摘すれば、現代では治療法というのがこの位しかないのだということです。ほかにあるとすれば、性犯罪者に対して取られることのある去勢でしょう。
なぜ対象が子供になるのかは不明ですが、少なくとも、性依存症の原因とペドフィリアの原因とは関係がありそうです。